KAILで無知の知を知り、自己限定せずに挑戦していく気概を学ぶ 原田晋吾

原田晋吾(はらだ・しんご)
増田石油株式会社 専務取締役
第6期生

『仕事』について

印象に残っている仕事もしくは出来事は何か?
 かつて勤務していた前職の東証2部上場企業の完全非公開化を主導しました。プライベート・エクイティ・ファンドとのMBO(マネジメント・バイアウト:経営陣による買収)で必要な資金約500億円は銀行からのシンジケートローンで調達しました。結果的に10年間で返済を終えた過程は、仲間と一緒になって事業を成長させることに尽き、収益を上げることに打ち込みました。そして、企業価値の向上を成し遂げた結果、事業会社に売却できたことは大変貴重な体験でした。
 また、新事業の立ち上げに挑戦してきたものの、1勝4敗と負け越しています。但し、成功した1事業は、大きな成長を遂げることができました。
前職では、自社の成長が停滞していたため、新事業の立上げは必須な状況でした。このため、自社の強みを発揮できる成長分野を検討したところ、残留農薬の分析検査機器と研究所人員を生かした、受託検査事業をスタートさせることでした。残留農薬の分析検査事業は、民間企業として初の厚労省認定機関となり、他の分析機関に対する競争優位に立つことができ、事業自体を分社化独立させ100名近い社員を有する企業規模にまでに成長しました。また、技術的にも世界有数の検査機関として認知されるようになりました。
 新入社員としての初赴任地は、沖縄でした。楽しく遊ぶには、最高に恵まれた環境の地だったと思います。しかし、学生時代に源氏鶏太や城山三郎などの企業小説を数多く読み、経営者になりたいという憧れもあり、「このままで良いのか」という疑問を抱きました。
 そして、一念発起して国家資格である中小企業診断士の資格取得を目指すことにしました。運良く、1次試験は1年目で合格し、2次試験は3度目だった29歳の時に合格できました。資格取得自体は目標の一つだったものの、取得するための学習が、現在のスキルの基礎になっています。
仕事上での強みや差別化は何か?
 営業をはじめ財務や人事、製造、M&A、新事業の立上げ、IR、経営企画などあらゆる分野の業務を遂行し、大抵の仕事は一定程度のレベルでの経営判断ができます。
 また、製造業や流通業など4社での勤務経験があり、幅広く経営判断ができることも仕事上の強みです。大事なことは、経験を生かして、直観で考え、論理的に裏付けることで最終的な判断を下すことだと思います。一連の思考においては、実践経験が有益です。まだまだ未熟であることを意識した上で更なる学びを繰り返していき、自らの強みを磨いていきたいと考えます。
今後に向けた抱負や思い、夢は何か?
 「生涯現役」をモットーに掲げており、いつまでも自分の強みを生かし、収益につながる事業に関わっていたいと思います。
亡母の口癖だった「えーね、真面目に勉強せんやいけんよ~。(山口弁)」という言葉が、私の心の中でいつまでも生き続けています。母の思いは、「立ち止まることなく学んで、世の中に貢献しろ」ということだと思います。
少子高齢化社会において、税金を納め、いつまでも健康で働いていることを通じて、世の中に貢献できるのではないでしょうか。

『 KAIL 』について

KAILでは、どんな学びを得たのか?
※印象に残ったセッション、講師や同期生の言葉、出来事・エピソードetc
 KAILでは、「自分は知っているようで、実は良く知らないと知ったこと」、そして「自己限定せずに、幾つになっても挑戦していく気概が大事なこと」を学びました。
講義を聞くにつけ、内容を深堀していく中、自分が知っていた知識は表面的な内容であり、本質は何も分かっておらず、実は中途半端で浅薄な知識だったことを知りました。そういう意味で自己限定をせず、幾つになっても挑戦し、研鑽して磨いていきたいと思います。また、さまざまな企業からKAILに派遣されて入塾したメンバーは、とても優秀で才能をもっている方々だと思います。このような素晴らしい仲間と切磋琢磨できたことは誇りであり、素晴らしい人脈形成にもつながっていると考えます。

『 プライベート 』について

座右の銘や好きな言葉、愛読書は何か?
 「絶対積極的(せきぎょくてき)な心」を大切にしています。良くも悪くも心は身体を支配します。辛いとか苦しいとかという消極的な心が、必ずあらわれます。消極的な心に支配されてはなりません。このような心に、勝たなければなりません。そのためには、「相対的な積極ではなく、どんな場合でも積極的であることが大事だ」と説いた中村天風師の言葉です。
中村天風の教えを説いた杉山彦一著『いのちを活きる』は、読みやすく最高の書だと思います。

DATA

名称
増田石油株式会社
住所
福岡市中央区大手門3-4-5
事業
石油関連商品の卸売り、小売り販売
会社URL
https://www.masudag.co.jp/
2024年3月時点

CONTACT
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