社長就任でKAILの学びが生き、コロナ禍での困難な経営環境に打ち勝つ 原田慎也

『仕事』について

印象に残っている仕事もしくは出来事は何か？

　私は2021年4月、西部ガスホールディングス株式会社の100％出資子会社である株式会社西商の代表取締役社長に就任しました。私自身は西部ガス株式会社に入社して以来、主に営業畑を歩んできました。西商社長に就任した時、営業は分かっていたものの、経理や財務、人事、総務は不慣れだったため、KAILで使っていた教科書も引っ張り出して、一から勉強し直しました。
たしかに最初は大変だったものの、「経営とは、十種目競技と同様に広く浅くやることが大事だ」と分かると、一気に楽しくなりました。
　もっとも、社長就任時の経営環境は、新型コロナウイルス感染症に関する緊急事態宣言による行動制限や自粛などで経済活動は抑制され、個人消費も低迷した状況でした。さらに三密（密閉・密集・密接）回避の徹底で社員とのコミュニケーションもままなりませんでした。さらに半導体不足が生じた結果、ガス機器の納入見通しが立たず、契約しても納品できない状況が続きました。厳しい状況下にも関わらず、社員・従業員らは一丸となって販売の第一線に立ち、いろいろと工夫して奮闘してくれました。
　その結果、西部ガスグループの販売会社による営業コンテストで社長就任以来、3期連続で首位に輝きました。このような快挙を成し遂げたのは、社員・従業員らが組織的な一体感を持って取り組んでくれたおかげです。〝やればできる〟という成功体験をみんなで共有できたことを有難く思います。そして、コロナ禍の3年間、黒字決算を維持できたことも嬉しく、印象的な出来事でした。

今迄で一番嬉しかった事、大変だった事は何か?

コロナ禍での社長就任は大変だったものの、社員・従業員らが一丸となって取り組んだ結果、みんなで成功体験を得られたことは嬉しかったことです。

今後に向けた抱負や思い、夢は何か?

今日の私があるのは地域のみなさまのおかげであり、会社自体も地域社会あっての存在だと思います。私自身、これまで数多くのギフトを頂いており、今後は「地域のみなさまにハッピーというギフトのお返しをしていきたい」と考えます。

『 KAIL 』について

KAILでは、どんな学びを得たのか?
※印象に残ったセッション、講師や同期生の言葉、出来事・エピソードetc

　西部ガスでは、KAIL入塾について公募制を採用しています。KAILの開講に先立った第1期生の公募には、当時30歳台半ばだった私も手を挙げました。残念ながら、第1期生の社内選考に漏れたものの、「志を学びたい」という思いを持ち続けました。そして7年後、管理職に就くタイミングで選抜され、KAIL8期生として入塾しました。当時、44歳だった私は、西部ガスエネルギー統括本部で営業企画グループの副課長でした。
　念願のKAILに入塾してみると、課題図書だけでも年間50冊もあり、なかなか大変でした。最初は戸惑って苦労したものの、読書も慣れてくると、苦にならなくなり、本を読む習慣も身に付きました。また、一流の講師陣による熱のこもったセッションでは、これまで知らなかった世界に触れ、講師の熱と塾生とのディスカッションから大きな刺激を受けました。そして、講師からの学びは私自身の財産となり、後の社長就任時に大変役立ちました。
　KAILでの最大の学びは、リーダーとしての覚悟です。全ての責任はリーダーにあり、腹を決めて正面から挑んでいくことで困難な状況を突破できるという確信を得ました。これらの学びは、コロナ禍における会社経営の原動力となり、実践にもつながりました。

『 プライベート 』について

あなたにとって大切なものやことは何か?

人々のハートに火を燈す存在でありたいと思います。

座右の銘や好きな言葉、愛読書は何か?

好きな言葉は、「感謝」「ありがとう」です。また、大学時代の恩師の口癖だったCoolheadsbutWarmhearts.（冷静な頭脳、されど温かい心）も常に意識しています。中国・明代末期に洪自誠が著した『菜根譚』が愛読書です。

あなたの気分転換法や
健康維持増進の取り組みは何か?

健康維持について、いろいろ研究しており、最近は良い眠りを得るためのスリープテックに取り組んでいます。朝、目覚めての15分ストレッチや軽い筋トレ、ランニングも好きで、「心身の健康が全てだ」と考えています。

あなたの趣味やこだわりは何か?

　趣味の一つであるスキーは長年やっており、準指導員の資格を所持しています。また、四島司塾長の影響でアートコレクションにも興味があります。最近はボタニカルライフを愉しんでいます。