KAILでの学びを社内教育に活用、公共工事の成績評定にも反映して受注拡大 井口剛

『仕事』について

印象に残っている仕事もしくは出来事は何か？

　「会社を辞めたい」と言ってきた社員に対して、一緒に現場に入って働きながら、いろいろな話をした結果、会社に留まってくれたことは私にとって印象的な出来事でした。
　彼と一緒だった現場では、本人の抱えている不安や一人で解決できない問題点などが分かりました。そして、これらの不安や問題点を一つ一つ解決していくことで、本人の表情や働きぶりが大きく変わりました。彼は現在でも当社で一緒に働いてくれています。このときの経験は、当社において社員教育を実践していく上で大変参考になりました。
　土木の公共工事においては今日、工事の出来栄えだけでなく、そのプロセスも評価していく『工事成績評定』の点数が重要視されています。工事成績評定での点数が高いと、優良な土木工事業者とみなされて、次の受注につながり易くなります。このため、私はKAIL入塾を契機にして、本格的な社員教育に取り組み始めました。
　工事成績評定の評価対象であるプロセスでは、打ち合わせ内容について、記録として正確に残していくことが大切になります。しかし、言語化できる人、あるいは言語化を大切にしている人は意外と少ないものです。その一方で正確な日本語での記載や記録が求められます。つまり、官庁担当者が、打ち合わせ内容の言語化で十分に理解・納得した上で確実な仕事をしていくことが重要なのです。
　このようなプロセスや手続きは、日本の中小・零細建設会社では長年、苦手としてきました。私自身はKAILで学ぶ機会を得て、その学びが実務面でも大いに役立っています。今日、日本の建設業界は大きな岐路に立たされています。私自身は、「社員の成長が、会社の業績に直結する」との考えの下、社員教育に邁進しています。

仕事上での強みや差別化は何か?

　地場の中小建設会社である当社では近年、物価高による施工費の高騰リスクを避けるため、価格上昇に対応したスライド条項のある官公庁からの発注案件に特化しています。
　今日、官公庁からの公共工事を継続的に受注していく上では、工事成績評定での高得点を維持していくことが必要不可欠です。当社は地元の中小建設会社の中でも比較的高得点を獲得しており、当社の強みになっています。

今迄で一番嬉しかった事、大変だった事は何か?

　当社では、主に中途採用で社員を確保しており、彼らの多くは高校卒・高校中退・中学卒などの業界未経験者です。右も左もわからないまま建設業界に飛び込んできた彼らを対象に研修や指導に打ち込み、結果的に工事成績評定にも反映されています。私自身でもうれしい一方、日々成長していく社員の姿をたくましく感じます。

今後に向けた抱負や思い、夢は何か?

　今後も引き続き、会社をしっかりと育てていきたいと思います。会社を育てるということは、社員を育てていくことです。社員教育には終わりはありません。そして、社員らが当社に誇りを持てるように頑張っていきたいと考えます。

『 KAIL 』について

KAILでは、どんな学びを得たのか?
※印象に残ったセッション、講師や同期生の言葉、出来事・エピソードetc

　山崎康司先生による『考える技術・書く技術』のセッションは、非常に参考になりました。これまで私自身が基本的な部分について理解していなかったことを痛感させられました。その後、私はこの学びをもとに社内向けの基礎研修資料を作成し、社員教育に役立てました。指導の中で、「考え方が悪いのではなく、伝え方が悪いだけだ」という点を明確に伝えることで、社員たちは要点や目的をより意識するようになりました。
　これらの取り組みの結果、工事成績評定を含む内外からの評価が向上したように感じます。また、KAILでの学びを通じて、これまで漠然と理解できなかったことも明確に理解できるようになりました。KAILでの学びは、私にとって非常に楽しい時間でした。

『 プライベート 』について

あなたにとって大切なものやことは何か?

私にとって大切な存在は、やはり家族です。そして、自分が行ったことが、いつか息子たちに振り返ってくることも肝に銘じます。そのためにも恥ずかしくない生き方をしていきたいと考えます。

座右の銘や好きな言葉、愛読書は何か?

座右の銘ではないものの、「簡単にあきらめない」という姿勢を大切にしています。
好きな本は、『エクセレント・カンパニー』です。

あなたの気分転換法や
健康維持増進の取り組みは何か?

気分転換は、「人と会うこと」です。いろいろ行き詰まった場合、活力のある方々と会うように心掛けています。

あなたの趣味やこだわりは何か?

趣味は釣りです。時間があれば、毎日でも行きたいところですが、なかなかそうはいかないのが現実です（笑）。