社員・会社・お客さまを幸せに、地域を元気にしたい。KAILでの思いの実現に取り組む 角谷英彦

『仕事』について

印象に残っている仕事もしくは出来事は何か？

　2018年～2022年の足掛け4年、旅館や道の駅、梅酒製造を運営する『おおやま夢工房』（大分県日田市）において取り組んだ事業の数々が印象に残っている仕事です。おおやま夢工房では、地域との関わりを深めていきながら、いかに地域貢献ができるのかに挑戦した日々でした。そして、コロナ禍に陥った際、会社と社員を守るために必死にもがいたことも、いまでは貴重な経験です。
　おおやま夢工房は1997年、大分県の旧大山町（現日田市）の第3セクターとして設立しました。旧大山町は1950年代半ばから「梅栗植えてハワイへ行こう」のキャッチフレーズで梅の栽培に力を入れてきた町でした。2016年、JR九州にとって2件目となるM＆Aでグループ入りしました。私は2018年6月に着任して同年11月、株式会社おおやま夢工房の代表取締役に就任しました。私に求められた使命（課題）は、経営を再建して梅酒事業・宿泊事業・道の駅事業を軌道に乗せること、そして地域および地元社員との融合でした。地元社員が不安がっていた当初、JR九州の社員はよそ者扱いでした。このため、同じ目線での対話を重ねながら、現場で共に汗をかいて夢を語ることから始めました。そして、業績が良くなると共に待遇改善を図ることで本気度を伝え続け、少しずつベクトルを同じ方向へ合わせていきました。
　おおやま夢工房の事業のうち、梅酒事業部門では梅酒専業としてのこだわりが品評会で高く評価されており、安売りはせずに高級路線を貫きました。また、地元産の梅を活用して地域の元気づくりとして梅酒ショコラや梅酒チーズケーキ、梅パウンドケーキなどの新商品を開発しました。一方、宿泊事業部門の『奥日田温泉うめひびき』では、湯布院に飽きた女性やファミリー層向けにInstagramや高評価のレピュテーションを活用した集客を図りました。また、コロナ禍の大逆風下では、社員の雇用維持を宣言してマルチタスク化を図り、「自然に囲まれ、密でない」ことを逆手に取って福岡県在住者らに絞ったSNSによる情報発信で先鞭を付けました。
　道の駅部門では2018年3月、道の駅『水辺の郷おおやま』のリニューアルオープンが実現しました。2021年3月には新たな地域貢献として『進撃の巨人inHITAミュージアム』を誕生させています。作者の諌山創氏による故郷への恩返しを具現化した施設の入場は無料で、開業1年目に12万人が訪れました。さらに地元企業による進撃グッズも評判を呼び、日田市に新たな客層が回遊するコンテンツツーリズムを実現できたことも嬉しく思います。

今後に向けた抱負や思い、夢は何か?

JR九州グループでは、JR九州グループのあるべき姿として、「安全とサービスを基盤として九州、日本、そしてアジアの元気をつくる企業グループ」、おこないとして「誠実」「成長と進化」「地域を元気に」を掲げています。
私自身も「九州の持続的な発展」に貢献していきたいと考えており、福岡市や中核都市だけでなく、過疎エリアでも「いかに支えていけるか」について取り組んでいきたいと思います。

『 KAIL 』について

KAILでは、どんな学びを得たのか?
※印象に残ったセッション、講師や同期生の言葉、出来事・エピソードetc

　高い視座と広い視野を持ち、自己本意でなく、「社会のため・社員のために何ができるのか」を考えて行動するという基本をKAILで叩き込まれました。
　KAILのセッションにおいて、私が考えた目指すべきリーダー像は下記の通りです。
◎高い視座で物事を捉え、ビジョンが語れる。
◎セルフコントロールができ、聞く耳を持ち、決断ができる。
◎人間力を備え、皆を巻き込むリーダー。
そして、「社会に貢献できるかどうか」をぶれない軸にして、今だけでなく将来にわたって「社員を幸せにしたい」「会社を幸せにしたい」「お客さまを幸せにしたい」「地域を元気にしたい」との思いを明確にしました。
KAILを卒塾した後、私は、「社会のため・社員のために何ができるのか」を基に、目の前で起きた物事を判断・決断し、その未来像も描いていっております。

『 プライベート 』について

あなたにとって大切なものやことは何か?

会社では社員であり、プライベートにおいては家族です。

座右の銘や好きな言葉、愛読書は何か?

座右の銘は「先義後利」。

あなたの気分転換法や
健康維持増進の取り組みは何か?

小学生の娘が二人おり、子供と遊び、子供と学び、そして子供と寝ることが気分転換と健康増進になっています。

あなたの趣味やこだわりは何か?

温泉巡りが趣味で、温泉ソムリエ協会認定の『温泉ソムリエ』です。
九州各地には、多種多様の泉質を持つ温泉があり、まさに天国だと思います。