社員の成長は会社の成長━━。社長就任直後のコロナ禍を転じて会社の経営体質強化を実現 森正俊
森正俊(もり・まさとし)
株式会社如水庵 代表取締役社長
第9期生
1976年2月13日生。福岡市博多区出身。福岡県立福岡高校卒~早稲田大学社会科学部卒。2000年4月、株式会社電通九州に入社、福岡本社、東京勤務を経て2016年12月、株式会社如水庵に取締役副本部長として入社。2020年4月、代表取締役社長に就任。高校、大学でラグビー部に所属して現在、出身クラブの草ヶ江ヤングラガーズクラブにおいて後進らの指導にあたる。
『仕事』について
- 印象に残っている仕事もしくは出来事は何か?
- 50年間社長を務めた父の跡を継いで2020年4月に社長に就任したものの、その1週間後に新型コロナウイルス感染症に対する1回目の緊急事態宣言が発令されて、初月は対前年比で8割減というスタートでした。その後も8割減の月が続く中、逆境になれば、なるほど燃えるタイプであり、長期戦になると腰を据えました。その上で「単に耐え忍ぶのではなく、好機と捉えてチャレンジできるチャンスだ」と前向きに考えて、社内改革に取り組みました。
その結果、コロナ禍の最終年度には、過去最高益を上げるなどの成果を出しています。コロナ禍の3年間は、大変だった半面、充実して楽しかった期間でもありました。
- 仕事上での強みや差別化は何か?
- 利他心を持つ社員が多いこと。そんな社員達を幸せにすることが私の役割だと思っています。また、主体的に仕事を進めていくスキルやノウハウを習得できる人材育成に努めています。教えることが最大の学びであり、社内講師の拡大を図ったことで社内に教えられる社員が増えたことを嬉しく思います。「社員の成長は会社の成長」であり、私自身にとっても仕事をしていく上での楽しみの一つになっています。
- 今迄で一番嬉しかった事、大変だった事は何か?
- たしかにコロナ禍の3年間は大変だったものの、社員達と一緒にコロナ禍を乗り越て成長できたことは、とても嬉しく思います。人的資本経営の考え方をはじめ、心理的安全性やチームビルディングなどの取り組みも社内に定着しているのではないでしょうか。社員が生き生きと働き、成功体験を自ら身に付けるなど、コロナ禍をプラスにできており、個人的にも嬉しかったですね。
- 今後に向けた抱負や思い、夢は何か?
- 『日本書紀』の神武紀の項に「われ今まさに八十平瓮をもちて、水無しに飴を作ろうと思う。飴ができたならばわれは武力を用いずに天下を治めることができるだろう」との記載があります。つまり、神武天皇が、「武力を用いずに天下を治める」ために水飴をつくったとされています。祖父、父は平和の尊さを重んじて、お菓子づくりに打ち込んできました。お菓子を作ってお客さまに喜んでもらうことの積み重ねは、平和につながっていくことだと考えて、お菓子づくりに取り組んでいます。
『 KAIL 』について
- KAILでは、どんな学びを得たのか?
※印象に残ったセッション、講師や同期生の言葉、出来事・エピソードetc - サラリーマン時代、会社の先輩から「ぜひKAILへ行くべきだ」というアドバイスもあり、同期での最年少の塾生として入塾しました。いま振り返っても同期の35人の仲間は、大きな存在です。KAILで学んだことの一つとして、表現は異なっても自己の最善を他者に尽くす姿勢や利他心などの本質は、同じだということが挙げられます。サラリーマン時代に自己満足に浸っていた利己的な自分に対して内省することができました。いま、社長となってみると、KAILに学んだことが腹落ちしています。入社して、まず自分の会社を棚卸ししてみると、屋号の持つ意味などについて深く考え、大いに理解できました。
『 プライベート 』について
- あなたにとって大切なものやことは何か?
- 如水庵という屋号の「庵」とは、寺社仏閣の中でも最小の建物を指します。そして、「庵の心」とは、目の前のお客さまを大切にもてなしていくことです。目の前の人を大切にしていく上でも家族や友人も大切な存在です。また、毎週末に少年ラグビーの指導をしており、我が子じゃない子供たちにとって”週一親父”として寄り添い、子供たちの成長や変化を実感できることも私にとって大切な時間です。子どもたちが勇気を振り絞ってタックルしていく姿などを目にすると、私自身も子どもたちから元気をもらって仕事への活力に繋がります。
- 座右の銘や好きな言葉、愛読書は何か?
- 座右の銘は、「一期一会」です。この言葉は、庵の心にもつながっているのではないでしょうか。仕事柄、マーケティング関連の本を読むことが多く、『ストーリーとしての競争戦略』を著された楠木健さんや、USJ再建で知られる森岡毅さんらの本を手にすることが多いですね。
- あなたの気分転換法や
健康維持増進の取り組みは何か? - 毎週末にラグビーの指導をしており、〝週一親父〟として、子どもたちの成長や変化を実感できることは、大切な時間です。子どもたちが勇気を振り絞ってタックルしていく姿などを目にすると、私自身も子どもたちから勇気をもらっています。
- あなたの趣味やこだわりは何か?
- 高校、大学でラグビー部に所属していました。そして現在、出身クラブの草ヶ江ヤングラガーズクラブにおいて、後進らの指導に打ち込んでいます。
DATA
- 名称
- 株式会社如水庵
- 住所
- (本店)福岡市博多区博多駅前2—19−29
- 事業
- 和洋菓子の製造・販売
- 会社URL
- https://corp.josuian.jp/
2024年3月時点