KAIL1期生として創世期に学び、碧樹会を立ち上げて地域貢献に尽力し続ける 佐藤操

『仕事』について

印象に残っている仕事もしくは出来事は何か？

　西部ガスグループの子会社である大牟田ガス株式会社および大牟田ガスリビング株式会社、西部ガス都市開発株式会社で社長を計10年間務めました。
　大牟田ガスでは、かつて日本の繁栄を石炭で支えた「エネルギーの街」大牟田市を今度、「われわれが天然ガスで担っていこう」という気概で取り組みました。地域内で完結して内向きの発想になりがちな大牟田市の今後を考えると、福岡都市圏との連携が不可欠であると考えました。このため、行政機関をはじめ地元経済団体、企業経営者、鉄道会社も巻き込んで大牟田市の方向性を考えるセッションを複数回開催し、ネットワーク構築に加えてエリアの意識改革に努めました。
　大牟田ガスにおいても改革へ動き出そうとする中、慎重な社員や従業員らも多く、一体感も十分とは言えませんでした。このため、彼らひとり一人に向き合い、目線の高さを合わせての対話を重ねました。そして、その時々の問題を逃がさず、向かうべき北極星を掲げてその方向に向けて共に解決し、挑み、気持ちよく働きやすい職場づくりに腐心しました。そういう点でも大牟田ガスの日々には、懐かしく印象深いものがあります。
　一方、西部ガス都市開発において印象に残っている仕事は、福岡唯一の常設スケートリンク場を『オーヴィジョンアイスアリーナ福岡』として営業を再開させたことです。私自身、西部ガスグループの象徴的なスポーツの一つとして存続を願っていた中、地元のアイススケート愛好者らから声が上がり、署名も数多く寄せられた結果、復活できたことは大変嬉しい思い出です。

今後に向けた抱負や思い、夢は何か?

　今回、西部ガスグループ退職後の第二の人生に際し、縁あって二日市温泉にある株式会社大丸別荘の人財部長として、新たなスタートを切ることになりました。
　慶応元年に創業して160年の歴史を持つ大丸別荘は、かつて昭和天皇が宿泊されたことでも知られています。大丸別荘では、以前に起きた不祥事からの再生・復活に向けて現在、社員・従業員らが一丸となって真摯に取り組んでいるところです。私自身、これまで組織の立て直しや新規事業の立ち上げなどを数多く手掛けてきた中、KAILで得た学びの実践を通じて、新生大丸別荘の実現に尽力していきたいと思います。そして、地域のみなさまにも広く貢献できるよう、気持ちも新たに取り組んでいきたいと考えております。

『 KAIL 』について

KAILでは、どんな学びを得たのか?
※印象に残ったセッション、講師や同期生の言葉、出来事・エピソードetc

　利他心、Leadtheself・Leadthepeople・Leadthesociety、シナリオ作り、一人称、基軸、北極星、胆力……。KAILでは、リーダーとしての心のあり方や考え方などを数多く学びました。
　KAILに1期生として入塾するきっかけは、開講前に会社の人事部長から見せられた新聞広告でした。当時45歳だった私は、新規事業の立ち上げを担当していたこともあり、未知の世界に飛び込もうと決断しました。
KAILに入塾してみると、リーダーとしてのあるべき姿を直に学び、大きな刺激を得て人生が大きく変わり始めました。JR九州の唐池恒二取締役相談役の「荒波に真っ直ぐ進む」、ソフトバンクグループ株式会社の孫正義代表取締役会長兼社長のコアメンバーと「困難はさあいらっしゃいと迎える」などの教えは、いまでも心に刻んでいます。そして、幾多の困難に立ち向かっていく覚悟ができたように思います。
　KAILで1期生だったこともあり、KAILの同窓会組織である碧樹会の立ち上げに際しての世話人の一人として設立準備に奔走しました。そして、当初の5年間、初代会長として碧樹会の基盤づくりに取り組みました。現在、碧樹会の活動内容をみると、機能的かつ自律的に組織が運営されており、KAILの20年の歩みと共に感慨深いものがあります。

『 プライベート 』について

あなたにとって大切なものやことは何か?

　中村哲さんは、私にとっての〝北極星〟であり、いまでも中村哲さんの影を追い掛けています。「われわれに対して、何を期待していたのだろうか」。そんな思いを馳せながら、教えていただいた志を次世代へのギフトとして返していきたいと思います。

座右の銘や好きな言葉、愛読書は何か?

　大切にしている言葉は、「志」です。最近、世の中で失われかけているように感じており、特に大切にしていきたいと考えます。

あなたの趣味やこだわりは何か?

　趣味の一つはゴルフです。碧樹会のゴルフコンペでは過去2回、ホールインワンを出したこと個人的にも嬉しい出来事でした。