「リーダーシップの第一歩は傾聴」━━。KAILで学びが社業や家庭で生きる 副田智幸
副田智幸(そえだ・ともゆき)
株式会社九電工 上席執行役員 (経営戦略企画、DX推進担当役員)
第1期生
『仕事』について
- 印象に残っている仕事もしくは出来事は何か?
- 2018年~2021年の沖縄支店長としての仕事が最も印象に残っています。支店長の仕事は、ある意味小さな会社の社長です。採用や人財育成、方針管理や損益管理、安全管理と多岐に渡っています。会社運営上の課題を洗い出し、対策を実行してPDCAを回しながら、一つひとつ結果を出していかなければなりません。そのためには、チームワークを重視しながら、一人一人の能力を最大化させていく必要があると考え打ち出したスローガンは、「let'senjoy(楽しもう)」「Challenge&growth(挑戦と成長)」でした。
赴任当初、支店の全社員を年代別に10チームに分けてオフサイドミーティングを実施しました。そして、一人一人のやる気に火を着け、個々人の能力の120%発揮できるような働きやすい職場づくりに努め、チームワークを円滑にしていった結果、収益も大幅に向上し、沖縄支店は2年連続で全社1位の業績表彰を受賞しました。KAILでの経験や学びは、〝一国一城の主〟である支店長としての組織運営でも大いに生きました。
- 仕事上での強みや差別化は何か?
- 私自身を振り返ると、現状に満足せず、「今のままではダメだ」「まずアクションを起こそう」というタイプの人間だと思います。一人ではうまくいかないので、周りを巻き込むことを強みにしており、それが他者との差別化にもなっているかと思います。志があり、巻き込み力、そして行動力を発揮していくと、運も自ずと引き寄せられていくのではないでしょうか。
- 今後に向けた抱負や思い、夢は何か?
- KAILでの講師として登壇された中村哲さんの生き方には、深い感銘を受けました。一人ではできない社会課題の解決に向けて、周りを巻き込んで実現された姿には、学ぶ面も多々ありました。私自身も九電工の仕事を通じて社会課題の解決に取り組み、その結果企業価値の向上も図ってく、所謂CSV経営を実践していきたいとの思いを新たにしています。
人的資本経営、つまり人を育てて人財を大切にしていく会社であることは重要です。今後、経営戦略に人事戦略を落とし込んでいく形で実現していきたいと考えます。そして、エンゲージメント面でも社員のモチベーションを高めていくことで収益を高めていきながら、企業自体の価値も高まっていくことを願っています。
『 KAIL 』について
- KAILでは、どんな学びを得たのか?
※印象に残ったセッション、講師や同期生の言葉、出来事・エピソードetc - 2004年月6月、KAIL1期生として入塾しました。当時は何もかも初めてのことであり、事務局とも喧々諤々で議論しながら進めました。その一方で派遣した会社や事務局からの期待もひしひしと感じながら、必死になって学んだことを覚えています。
KAILでは、中村哲さんのセッションが最も心に残っています。中村さんが紹介した「一隅を照らす」という言葉は、本人の生き様そのものでした。他者の困りごとを自分事に捉えて取り組まれた胆識ある方だったと思います。そして、「誰も行きたがらぬ所へ行け 誰もやりたがらぬことを為せ」という言葉も響きました。実は、中村さんは、私と同じ北九州若松出身の玉井金五郎(港湾労働者達の生活を守るため命懸けで炭鉱の特権階級と戦った伝説の人物)の子孫であること。もう一つは、中村さんがアフガンに用水路を作るために朝倉の山田関を見学に来た折、私の義父が案内したとのことで、私としては勝手に何かのご縁を感じています。
私自身は、橋田塾長の九電工社長時代、社長室長として橋田塾長の先見性や行動力、説得力などを間近に見て学ぶことができました。KAIL時代に仲間と徹底的に議論した「会社は誰のものか」についても橋田社長は、「従業員のものである」と明確に示され、人を大切にしていく人的資本経営を実践されました。いまの私自身、橋田塾長の存在なくしては語れません。
卒塾生とのつながりが、学びの継続にもつながっています。碧樹会の会長を務めた時がKAIL10周年であり、活動のバリュー(価値観・判断基準)として、《学びの場の継続》《人的ネットワークの深化》《社会への恩返し》の3つを決めました。地元経済界の会合に行くと、何人か卒塾生と会い、着実に『人財の森』になっていることを実感しており、今後も3つの価値を大切にしていきたいと思います。
『 プライベート 』について
- あなたにとって大切なものやことは何か?
- 大切なのは家族と仲間です。今日、私があるのは、家族と仲間のおかげだと思っています。KAIL在塾中、子育ても家族に任せていました。KAILを卒塾できたのも家族からの支えがあったからこそだと、感謝しています。
- 座右の銘や好きな言葉、愛読書は何か?
- 座右の銘の一つは、「和して同ぜず」です。そして、本当の忠義として、という強い意志を表す「逆命利君」も座右の銘です。
- あなたの気分転換法や
健康維持増進の取り組みは何か? - 海も山も好きです。海では昔からスキューバダイビングをやっており、沖縄支店時代にジェットスキーを始め、さらに1級船舶免許も取得しました。
一方、山では、キャンプをしたり、トレッキングをしたりしています。
また、楽器としてギターをやっており、沖縄で三線も始めました。
DATA
- 名称
- 株式会社九電工
- 住所
- 株式会社九電工
住所:〒815-0081 福岡市南区那の川一丁目23番35号 - 事業
- 総合建設業
- 会社URL
- https://www.kyudenko.co.jp/
2024年3月時点