KAIL入塾が原点になり、会社･業界のステータス向上にアクセルを踏み込む 谷口雅春

『仕事』について

印象に残っている仕事もしくは出来事は何か？

　これまで200社近くの救済的Ｍ＆Ａを手掛けてきました。これらのＭ＆Ａ案件の中でも、1995年の雲仙丸善タクシー（本社：長崎県島原市）、2004年の那覇バス（本社：沖縄県那覇市）は、非常に印象に残っている案件です。
　雲仙丸善タクシーの場合、普賢岳での火砕流に乗務員が巻き込まれたことへの保証などで事業運営に苦慮されており、救済的Ｍ＆Ａを実施ました。これまで当社では、主にタクシー会社の救済的Ｍ＆Ａを実施して量的拡大を図ってきた結果、タクシーの台数で日本一となっています。
　一方、モノレール以外に鉄軌道のない沖縄本島において、那覇バスは重要な公共交通機関です。そして、那覇バスを存続させていくために人・物・資金を速やかに確保する必要があり、救済的な観点でＭ＆Ａを行いました。たしかに初めての路線バス会社のＭ＆Ａであり、いろいろなハードルは高かったものの、モニター会議を通じてのお客さまの声に基づく改善を重ねた結果、V字回復そして安定的な経営基盤ができました。

仕事上での強みや差別化は何か?

　新規事業の展開をはじめ、新たに傘下に入った会社の再生、労働組合との団体交渉など、普通は経験できない業務を多数担当した経験値は、大きいと考えます。交通事業は労働集約型産業であり、経営上のトップダウンに象徴される上下関係よりも人間関係、つまり信頼関係が大事です。Ｍ＆Ａにおいても救済型を基本としており、乗務員をはじめ対象企業の方々に納得してもらえるような信頼関係の構築に努めています。

今迄で一番嬉しかった事、大変だった事は何か?

大変だったことは、子会社社長を任された時です。赴任時は４社でしたが、後日８社に拡大しました。

今後に向けた抱負や思い、夢は何か?

　会社のステータスアップに尽力していきたいと思います。北九州市からスタートしたものの、現在では全国34都道府県において事業を展開しています。そして、地元だけでなく、いろいろな地域で弊社を選んでもらえるに努めていきたいと考えます。
　タクシーやバス、トラックのドライバーは、大変な労力でサービスを提供しているにも関わらず、旅客機のパイロットや電車の運転手らに比べたら、どうしても下に見られがちです。現場で頑張っている彼らのステータスを引き上げていくためにも、会社自体をもっと良くしていかないといけません。タクシー業界のリーディングカンパニーとして、業界のステータス向上に尽力していきたいと考えます。そして、社員の子息が当社への入社を希望してくれるような夢のある会社になれるように頑張っていきたいと思います。

『 KAIL 』について

KAILでは、どんな学びを得たのか?
※印象に残ったセッション、講師や同期生の言葉、出来事・エピソードetc

　KAILへの入塾は、「勉強してみないか」という会社からの声掛けがきっかけでした。KAILには、2期生・3期生と続けて派遣しており、4期生として入塾しました。２期生で交通部門の先輩が参加していたため、最初は業務の延長だと受け止めていました。その後、「せっかく与えられたチャンスなので、生かしていこう」と思い、だんだん楽しくなっていき、いろいろな学びを得ることができました。
　KAILでの学びを言語化すると、「立ち位置を変える」という言葉になるのではないでしょうか。そして、いまの私があるのは、KAILに入塾したおかげだと思います。
　KAILで印象に残ったセッションは、故中村哲さんが登壇された回でした。実は中学１年の時、来福した故マザーテレサさんから声をかけてもらったことがあり、それと同等の衝撃を受けました。各分野での実績と見識に優れた講師陣に加えて、異業種から集まってきた同期生から、さまざまな業界の話を聞けたことも大変刺激になりました。
　そして、卒塾後も付き合いが続いており、色んな面で大きな支えになっています。

『 プライベート 』について

あなたにとって大切なものやことは何か?

　大切なのは、「いま」という時間だと思います。いま、きちんとやっていかないと、先はありません。いま、やれることを何でもやっていこうという気持ちで日々、過ごしています。

座右の銘や好きな言葉、愛読書は何か?

「現実存在（実存）」と「細心の注意と大胆な行動力」です。

あなたの気分転換法や
健康維持増進の取り組みは何か?

　日本酒をはじめお酒は何でも好きなので酒蔵巡りは、趣味の一つであり、気分転換になります。また、ミュージアム鑑賞も好きで美術館や博物館にもよく足を運びます。関西勤務をきっかけに神社仏閣巡りも趣味の一つに加わりました。

あなたの趣味やこだわりは何か?

　人間は、どうしても自らの可能性を狭めながら、生きているように思えます。このため、できる限り可能性を広げるような選択をしていきたいと考えています。